何故、犬なのに草たべるの??
- SALTY DOGブログ
- 4 時間前
- 読了時間: 4分
🐾 散歩中に草を食べて吐くワンちゃん —— 隠れた原因とケアのヒント
================================================
📑 目次
================================
1. 草を食べて吐くのはなぜ?
2. 隠れた原因
3. 胃液と胆汁の違い(誤解しやすいポイント)
4. 改善に向けたアプローチ
4-1. 食事
4-2. 運動
4-3. ケア(マッサージ・生活習慣)
5. 幽門(胃の出口)の閉鎖不全も関係する?
6. 番外編:胆汁と脂の「質」
6-1. 胆汁の働きと「日利用(腸肝循環)」
6-2. 避けたい脂
6-3. 与えたい脂
7. 飼い主様へのメッセージ
🌱 草を食べて吐くのはなぜ?
--------------------------------
犬が散歩中に草を食べるのは珍しいことではありません。
しかし「食べたあとに吐く」が繰り返されるときは、ただの遊びや癖ではなく 胃腸や胆汁のトラブルのサイン かもしれません。
---
🔎 隠れた原因
--------------------------------
- 空腹時間が長い → 胆汁が胃に逆流 → 胃が刺激される → 草を食べて吐く
- 加齢による胃腸の動きの低下 → 胆汁が滞留しやすい
- 高脂肪食 → 胆汁の分泌が増え、逆流時のダメージが大きい
- 慢性的な胃炎や食物不耐性 → 草を求める行動につながる
- 寄生虫や炎症 → 消化管の違和感から草を食べやすくなる
---
💡 胃液と胆汁の違い(誤解しやすいポイント)
--------------------------------
多くの飼い主様は「吐いているのは胃液」と思いがちですが、実は 胆汁を吐いているケース が少なくありません。
● 胃液
- 胃から分泌される消化液
- 主成分は塩酸(酸っぱい液体)
- 食べ物を分解する役割
- 見た目:透明〜少し泡立った液体
● 胆汁
- 肝臓で作られ胆嚢に貯められる消化液
- 主に「脂肪の消化」を助ける
- 見た目:黄緑〜黄色の液体
- 空腹時に逆流すると胃粘膜を刺激して嘔吐を起こす
➡️ 「朝方に黄色い液体を吐く」場合は、胃液ではなく 胆汁嘔吐症候群(BVS) の可能性が高いのです。
---
🍽 改善に向けたアプローチ
--------------------------------
1. 食事
~~~~~~~~
- 低脂肪で消化の良いフードに切り替える
- オメガ3脂肪酸を少量加える
- 魚に多く含まれるEPA・DHAは胆汁の流れをスムーズにする
- ただし オメガ3は酸化にとても弱い → サプリよりも「新鮮なお魚」を与える方がおすすめ
- 水分たっぷりの食事で胆汁の濃縮を防ぐ
- 食物繊維(カボチャ・サツマイモなど)で腸の蠕動をサポート
- 少量頻回のご飯で空腹時間を短縮
- ただし家庭によっては難しいケースもある → その場合は「寝る前に消化の良い少量のスープやふやかしたフード」を与える、あるいは「朝ご飯を少し早める」といった工夫も有効
2. 運動
~~~~~~~~
- 軽い散歩を毎日続ける → 腸の蠕動を維持
- 食後すぐの激しい運動は控える → 胆汁逆流の予防
- 筋肉量を保つ → 消化管の動きを安定させる
3. ケア(マッサージ・生活習慣)
~~~~~~~~
- お腹のマッサージを強化
- 愛犬をリラックスさせ、腹部を「の」の字に円を描くように優しく撫でる
- ガス抜きや蠕動促進に役立つ
- 背中・腰のストレッチで自律神経を整える
- 生活リズムを安定させる(就寝・起床・食事の時間を一定に)
---
🛑 幽門(胃の出口)の閉鎖不全も関係する?
--------------------------------
幽門がしっかり閉じないと、胆汁が胃に逆流しやすくなります。
具体的なコントロールの工夫
- 就寝前の大量飲食は避ける
- 食後すぐに激しい運動や興奮をさせない
- 夜更かしや急な生活リズムの変化を減らす
- 飼い主の叱責や過度な緊張を与えない
➡️ 「ストレスを減らす」よりも「胃腸に負担をかけない生活パターンを守る」と考えるとイメージしやすいです。
---
📌 番外編:胆汁と脂の「質」
--------------------------------
胆汁の働きと「日利用(腸肝循環)」
- 胆汁は 脂を乳化させ、小腸で吸収しやすくする
- 乳化された脂の一部は吸収され、残りの胆汁酸は小腸で再吸収されて再利用される
- このサイクルを 腸肝循環 と呼び、正常なら効率よく回る
- 正確には「胆汁酸が再吸収され、肝臓で新たに胆汁として作り直される」と理解するとよい
避けたい脂
- 揚げ物、人間用バターやラード、酸化した油
- つまり 「人間が食べている脂っこいものは犬に与えない」 という考えでほぼ間違いありません
- 理由:犬は人間に比べて脂質代謝が異なり、膵炎・胆泥症のリスクが高まりやすい
与えたい脂
- オメガ3(魚・亜麻仁油・えごま油)
- 胆汁の流動性を高め、抗炎症作用あり
- ただし 酸化に非常に弱い ため、新鮮な魚や開封後すぐに使い切れる油が望ましい
- MCTオイル
- 中鎖脂肪酸で消化吸収が早く、胆汁の負担は少ない
- ただし「胆汁分泌を直接改善する」効果は限定的
- あくまで「消化を助ける補助」として利用すると良い
---
🌟 飼い主様へのメッセージ
--------------------------------
「草を食べて吐く」行動は、ただの癖ではなく 胃腸や胆汁からのSOS かもしれません。
「胃液」と「胆汁」の違いを理解し、食事・運動・ケアでサポートすることで、愛犬は草に頼らず快適に過ごせるようになります。
脂の質を見直すことも、胆汁の健康を守る大切なポイントです。
コメント