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食と免疫

  • 執筆者の写真: SALTY DOGブログ
    SALTY DOGブログ
  • 6月6日
  • 読了時間: 7分



健康の鍵は消化と腸!

人間と犬、それぞれの食事と体の仕組み

今回は、私たちの体、そして愛する犬たちの体の健康にとって非常に重要な「食事」と「消化」、そして「腸内環境」について、お話ししていきます。提供された情報をもとに、健康の基本となるポイントを掘り下げていきましょう。




1. 健康の基本 - 食事からのアプローチ

健康な体を作る上で、まず欠かせないのが「食事」です。特に、良質なタンパク質をしっかり摂ることが基本となります。

  • タンパク質の重要性



    • タンパク質は体の構成要素であるアミノ酸に分解されます。

    • さらに、タンパク質は食べ物の消化に必要な酵素を作る材料となります。

    • 体内で作られる酵素が9割、食事から摂取する酵素が1割という割合です。

    • タンパク質には動物性と植物性がありますが、体を構成するアミノ酸の量(アミノ酸スコア)が高いのは動物性の肉や卵です。

    • 質の良いタンパク質を摂ることが、消化酵素を十分に作り、消化をスムーズに進めるために非常に重要です。

  • 水分量も大切



    • 食事の水分量が多いほど、消化のスピードは速くなります。

    • 手作り食は水分も一緒に摂れるため、この点でもメリットがあります。

    • ただし、ドライフードに水を大量に入れる方法は推奨されません。本人が飲みた量を選べないことや、消化酵素が薄まる可能性があるためです。

2. 咀嚼(噛むこと)の役割 - 人間と犬の違い

良い食べ物を食べていても、それが体にしっかり届くためには、**「噛むこと」**が非常に重要です。

  • 人間の場合



    • いくら良い食べ物でも、ちゃんと噛まなければダメです。

    • 噛むことで唾液と混ざり、消化液と混ぜ合わせる最初の段階となります。

    • 口は第一免疫であり、その後の胃(第二免疫)の働きにも影響します。

    • しっかり噛むことで胃に無理をさせないことが大事です。

    • 噛めない人が多い現状があります。

    • 歯がなくなると、脳への刺激が減り、腸内環境が悪化し、大腸がんなどのリスクにもつながる可能性があります。歯は脳への刺激とも関連しており、非常に大切です。

    • 歯が悪くなる大きな原因は「」の摂りすぎです。

  • 犬の場合



    • 犬は人間のようにしっかり噛まず、ほとんど飲み込みます。

    • このため、犬は噛まない代わりに胃の機能が強くなっています。

    • 口での免疫機能は人間ほど強くなく、胃で何でも溶かそうとする傾向があります。

    • ドライフードは嗜好性を上げるために油でコーティングされることがありますが、油は胃ではほとんど消化されません。

    • 油でコーティングされたフードは胃液と混ざってもうまく溶けず、未消化のまま小腸へ進んでしまいます。

    • 小腸でようやく油の分解が始まりますが、ドッグフードに多い質の悪い油(オメガ6系など)は腸内を炎症させることがあります。

    • 犬にとっての咀嚼の代わりとして、視覚や嗅覚で食事の美味しさを感じ、遺液を準備することが重要です。美味しそうな匂いの食事は遺液を出す準備を促します。まずそうな食事では遺液も出にくくなります。

3. 消化のプロセスと消化不良

食べ物は口(人間の場合)、胃、小腸、大腸と進み、分解・吸収されます。

  • 胃での消化



    • 胃では主にタンパク質の消化が始まりますが、油はほとんど消化されません。

    • 消化には胃液消化酵素が必要です。

    • 質の良いタンパク質が不足していると、消化酵素の材料が足りず、消化がうまくいかなくなります。

    • 炭水化物が多い食事や低タンパク質の食事も遺産不足の原因となります。

  • 小腸・大腸での消化と吸収



    • 胃で消化しきれなかったものは小腸へ送られます。

    • 油は小腸で胆汁酸と混ざり、分解・吸収が始まります。

    • しかし、質の悪い油や過剰な油は胆汁の働きを弱め、油の分解をさらに遅らせることがあります。

    • 未消化のものが小腸や大腸に届くと、お腹を壊したり(ゲリ)、未消化のまま血流に乗ってしまうこともあります。

    • 小腸が疲れて機能が落ちると、未消化のものでも血流に乗せてしまいがちですが、元気な小腸は未消化のものをうんちとして排出します。

  • 消化不良や吐き戻しの原因



    • 人間の場合:噛めないこと。

    • 犬の場合:噛まないこと、油っぽい食事。

    • 共通:質の悪いタンパク質や消化酵素不足、炭水化物の多い食事、ストレス、食事時のリラックス不足。

    • 犬が空腹時に吐くことについて:空腹時間が長いこと自体よりも、飼い主の食事時間とずれて、食べ物が入ってこないのに遺産だけが出てしまう状況が、胃の粘膜を刺激している可能性が考えられます。そこに脂っこいおやつをあげると悪化します。

4. 腸内環境の整え方

健康な体には、整った腸内環境が欠かせません。

  • 腸内細菌のバランス



    • 腸には善玉菌、悪玉菌、そして日和見菌がいます。

    • 目安として、日和見菌7割、善玉菌2割、悪玉菌1割が良いバランスとされます。

    • 日和見菌は優勢な方に味方するため、善玉菌を優勢に保つことが重要です。

  • 腸内環境を整えるアプローチ



    • 食物繊維(プレバイオティクス):腸の代表格。小腸で吸収されず大腸まで届き、善玉菌の餌となります。海藻類などが含まれます。

    • 生きた菌(プロバイオティクス):ヨーグルトなどに含まれる乳酸菌など。腸まで生きて届けば働きますが、届くのは摂取量の1割にも満たないとされます。また、摂取しても腸に定着せず、長くても1週間ほどで流れてしまいます。

    • 死菌や代謝物(ポストバイオティクス):食物繊維を善玉菌が分解・発酵することで、酢酸、プロピオン酸、酪酸といった代謝物が生まれます。これらの代謝物が腸内環境を酸性に傾け、善玉菌が過ごしやすい環境を作ります。特に酪酸は腸壁の材料や免疫機能向上に重要です。

      • 死菌でも代謝物による効果は得られますが、大量に必要です。死菌を使ったサプリメントの方が効率が良い場合もあります。

      • 最近注目されているポストバイオティクスは、これらの代謝物を直接摂取するアプローチです。犬用のポストバイオティクス商品はまだ少ないです。特定の乳酸菌(Jin)は、この代謝物(バイオジェニックスとも呼ばれる)としての働きや免疫力向上の効果が期待されます。菊芋由来のイヌリンも含まれており、お腹に良いとされます。

    • 質の良い食事:良い食事は、良い腸内環境を育むための土台となります。砂糖は悪玉菌が大好きなので、無糖のヨーグルトやオリゴ糖を選ぶのがおすすめです。

5. 口内環境の重要性

口は消化の最初のステップであり、第一免疫の場所でもあります。口内環境も腸内環境と同様に、全身の健康に影響します。

  • バイオフィルムの問題

    • 口の中のネバネバはバイオフィルムと呼ばれ、菌がガードを固めた状態です。

    • バイオフィルムの中にはたくさんの菌が住んでおり、抗生物質すら通さない耐性菌を作り出すこともあります。これが歯周病などの原因となります。

    • 特定の乳酸菌(Jinなど)は、このバイオフィルムを壊す効果が期待できます。

  • pHバランス

    • 口内環境のpHバランスも重要です。酸性に傾きすぎると歯が溶けてもろくなることがあります。

    • 犬は唾液中のリンやカルシウムが多く、再石灰化のスピードが人間よりも速いと言われています。

    • 口内環境をアルカリに保つことで、歯周病菌などの悪い菌が繁殖しづらい環境にすることができます。

口の環境が悪化すると、悪い菌が胃や腸まで到達し、体を壊す原因となるため、まず口を大事にすることが重要です。




これらの要素、特に質の良い食事咀嚼(消化の初期段階)、そして腸内環境は密接に関連しており、どれか一つが欠けても全体のバランスが崩れてしまいます。

人間の場合、しっかり噛むこと。犬の場合、噛まない分、目で見て匂いを嗅いで「美味しい」と感じ、遺液を出す準備をすることが大切です。そしてどちらの場合も、腸内環境を整えるために、食物繊維や発酵食品を摂ること、ポストバイオティクスといった新しいアプローチを取り入れること が、健康維持の鍵となります。

手作り食は手間がかかると思われがちですが、結果として体が健康を維持できるというメリットがあります。全てを手作りできなくても、新鮮な食材を少し加えるなど、できることから始めてみるのも良いでしょう。




最終的には、鮮度の良い食事を摂り、質の良いタンパク質を摂るというシンプルが基本ですが、現代では意識しないと難しい部分もあります。まずは自分や愛犬の食事、消化、お腹の調子に関心を持ち、できることからケアを始めてみてはいかがでしょうか。




 
 
 

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